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証券市場の奔流にのまれた老舗スーパーの漂着地。

かつて東海地方小売業の雄だったユニーグループは、現在ドン・キホーテを経営しているパン・パシフィック・インターナショナルHDの傘下で存続しています。

2010年台に入ってにわかに活気づいた小売業界の再編の波にのまれたユニーの足跡を簡単にまとめました。

アピタ,遠景

ユニー巨大化の歴史

ユニーグループは「ユニー」「アピタ」を運営している会社で、その源流は1912年西川長十が名古屋市中川区下之一色町に履物店にあります。その後呉服店、共同仕入れ会社を経て、1971年にユニーが誕生しました。

 

ユニーは得意分野の子会社を次々と設立し、事業の垂直展開と水平展開を進めていきます。有名な子会社の設立は次のとおりです。

 

1974年高級呉服の専門チェーン店「さが美」を設立。

 

1984年にコンビニエンスストア「サークルケイ・ジャパン」を設立。

 

1984年女性向けアパレル専門店「パレモ」を設立。

 

1991年信販会社「ユニーカードサービス(後のUCSとなる)」を設立。

 

金融ビッグバンのトレンドに乗り子会社も次々と上場していきます。上記子会社は株主優待実施企業としても注目を集めていました。私の印象に残っているのはパレモですね。

 

パレモは2月20日決算の小型株で、優待をゲットしやすいものの、毎年権利落ちで株価が大きく下落する銘柄でした。

企業結合で巨大化したユニーは更に大きな巨人に食われた

ユニーグループは2000年台に合弁会社の設立、子会社を存続会社とする合併を次々と実施して、企業集団の規模を着実に大きくしていきます。

 

2006年には伊藤忠商事と業務提携に合意。後のファミリーマートとの経営統合のきっかけとなる出来事です。

 

2012年にサークルKサンクス株式のTOBを実施。2012~2013年に純粋持ち株会社ユニーグループ・ホールディングスを設立・移行しました。

 

ユニーは合併や株式交換等で巨大化したものの本業については苦戦していたようで、2016年にファミリーマートと経営統合し、ユニー・ファミリーマートHDとなります。

 

そして2017年にドン・キホーテHDとの業務提携が発表され、2019年に完全子会社化。ユニー・ファミリーマートHDはファミリーマートHDに商号変更。ここでユニーの名前が証券市場から姿を消すことになったのでした。

 

小売業は商売のやり方次第で、小よく大を制する事は普通に起こりえます。しかしユニーは、資本の力で他人の事業を食う、企業結合に傾斜し過ぎたかも知れませんね。最後は資本の論理で自分たちより大きな会社に食われてしまいました。