ニューヨーカーのブランドで有名なダイドーリミテッドの株主総会が行われました。本総会では取締役の選任について少数株主でアクティビストのストラテジックキャピタルから反対意見が出ていましたが、会社案が賛成多数で可決されました。
アクティビストとは本来「活動家」を表す英語です。証券取引の世界では物言う株主の意味で使われます。物言う株主は、議案提出権など少数株主の共益権を積極的に行使して、その会社の経営に自らの考えを反映させようとする株主です。
株主は自益権と共益権を行使する事ができます。普段このブログでは株主優待について扱っていますが、株主優待は株主の権利のうち自益権に分類されます。今回の話題は株主の共益権に関するものです。
自益権と共益権
自益権は株主の地位に基づいて当然に有する経済的利益です。具体的には配当等を受ける権利、残余財産分配請求権、反対株主の株式買い取り請求権があります。
共益権は会社経営に関して自らの意見を会社に要求する権利です。具体的には株主総会の議決権、株主総会の議案提出権、取締役の違法行為差し止め請求権、株主代表訴訟提起権などがあります。
共益権は会社経営に大きな影響を及ぼします。したがって一部の共益権は私のような株主優待目当ての株主には認められていません。そのような共益権を少数株主権と言います。
少数株主権には株主総会招集請求権、株主総会の議題追加権(株主提案権とも言う)、取締役の解任請求権、会社の解散請求権などがあります。今回のストラテジックキャピタルは議題追加権を行使しました。
経営不振
ダイドーリミテッドは歴史のあるアパレルメーカーで、現在は経営成績の向上に奮闘しています。しかし復活の道のりは険しいと言わざるをえない状況です。
オンワードHDは長年ダイドーリミテッドと資本、経営面で密接な関係を持っていました。しかし昨年オンワードHDはダイドー株を全て売却しました。そしてストラテジックキャピタルが持ち株比率を上げていき、影響力を行使し始めています。
経営成績が良くないとオーナーから口出しされるのは仕方のない事でしょう。アパレル用品が満遍なく売れる時代ではないので苦境脱出は大変でしょう。どのように復活していくのか、その行方に注目したいと思います。
優待品はお洒落グッズ
ダイドーリミテッドの株主優待は年2回もらえます。3月はお洒落なグッズです。2022年がトートバッグやリュックサック、2023年がタオルセットでした。9月はオンラインストアの買い物割引券がもらえます。
アパレル企業の株主優待は年々寂しくなっています。三陽商会はバーバリーとのライセンス契約を解消し、レナウンは会社が消滅しました。ダイドーさんにはここで踏ん張ってもらいましょう。